8月14日付けのマネーインサイダーというサイトの記事で、資産運用会社のバンガードが「今後10年間、投資家は資金の70%を債券に投資するべき」という内容のレポートを出したというものです。
今回の記事では、バンガードが出したレポートの内容を見て、私が感じたことなどを書き記していこうと思います。
私の現在の資産配分
私は、自分自身の資産の配分を株式80%、債券20%などのリスクをとった投資ではなく、株式60%、債券30%、不動産5%、ゴールド5%にして株価が大幅に下落したときに備えていきたいと考えています。
今現在、私自身の資産の配分は以下のようになっています。

まとめると次のようになります
- 海外株式は主に全世界株のことです
- 日本株式は主に日本の個別高配当株のことです
- 海外債券は主にアメリカの債券ETFのことです
- 日本債券は主に4資産均等の投資信託の中に含まれているものです
- ゴールドは東証のETF、純金上場信託(1540)で保有しています
- 不動産は東証のETF、REIT指数連動型上場投信(1343)で保有しています
- 日本現金は待機資金です
今のところ、目標とする資産配分にはなっていませんが、株資産は少なめになっていると思います。
バンガードが出したレポート
バンガードが出したレポートについて簡単にまとめて紹介していきます。
「株式60%:債券40%」が常識
投資の世界では、伝統的に「株式60%:債券40%」がバランスの取れた資産配分として広く言われています。
株式は高いリターンを期待できる反面、リスクも大きいです(ハイリスク・ハイリターン)。一方、債券の方はリターンは控えめですが、価格変動も小さく安定しています(ローリスク・ローリターン)。
この2つの資産を組み合わせることで、リターンとリスクのバランスを取るのが投資の基本的な考え方と言えます。
年齢の若い方であれば、高いリターンを求めて「株式80%:債券20%」といった、株式の比率が高い資産配分を組む人もいるかと思います。ですが、バンガードは今回のレポートでそのことに警告を鳴らしています。
今後10年間は「株式30%:債券70%」
10年間のリターンを予測する「バンガード・アセット・アロケーション・モデル(VAAM)」が、今後10年間は「株式の比率を30%に落として債券を70%に引き上げる」という保守的な資産配分を推奨しています。
なぜ、バンガードは株式の比率を30%にまで下げることを推奨するのでしょうか?その理由は、現在の市場の「割高感」にあります。
割高感が示す「危険な兆候」
バンガードによると、米国株式は約3年間、強気相場が継続しており、株式の割高か割安かを判断する指標(株式バリュエーション)の割高感を指摘しています。
シラーPER
この指標は、過去10年間のインフレ調整後の平均利益と現在の株価を比較するもので、市場の過熱度を測るのに使われます。このシラーPERが、2021年、2000年、1929年にピークを付け、現在それに匹敵する水準であり、ピークを付けた翌年にいずれも、株式市場が大きく下落していることを指摘しています。
株式リスクプレミアム
これは、株式が提供する将来の推定リターンが、リスクのない国債利回り(無リスク資産)と比較してどのくらい魅力的かを示す指標です。このリスクプレミアムが過去最低水準にあり、株式投資が、リスクの低い債券投資と比べて、リターンの面で魅力的ではないことを示しています。
低リスクで安定したリターン
現在の市場では、株式の割高感が目立つ一方で、債券の魅力が増しています。バンガードは、今後10年間の米国株式の平均リターンを年率3.3%〜5.3%程度と予測しています。
一方、一般的に株式よりもリスクが低いとされる債券は、年率4%〜5%の利回りが期待できると予想しています。米国10年債の利回りが現在4.2%程度であることを考えると、リスクが少ない債券でも株式と同等、あるいはそれ以上のリターンを得られる可能性が出てきているのです。
投資家は、低リスクで高いリターンの、他の資産を求めるため、高い金利は株式のパフォーマンスとバリュエーションにとって重石となる傾向があります。
投資期間と個人の状況が重要
このレポートは、あくまで今後10年間という期間に焦点を当てたものであり、投資期間が20年、30年と長い場合は、株式は依然として債券を上回るリターンを期待できます。
また、バンガードは「資産配分モデル(株式30%、債券70%)は誰にでも当てはまる万能な推奨ではなく、情報提供を目的としたもので、各投資家の目標、リスク許容度、税務状況を勘案して資産配分を行うことが適している」と言っています。
私が感じたこと
この記事(レポート)を見て、初めに感じたのは、「安心した」ということです。私は前々から自分自身のリスク許容度の低さから、株式は60%程度の保有にして、残りの40%は他の資産で運用しようと考えていましたので、この考えで「良かったんだな」と思いました。
今からすぐにバンガードが推奨するように、株を30%にして債券を70%にしようとは思いません。このレポートの中でも触れらていますが、投資家一人ひとりの資産運用の目的、リスク許容度、資産状況、運用期間は違いますので。
ただ、全く無視するわけではありません。以下のようなことを考えていきたいと思います。
- 市場の過熱感に注意して冷静に自分自身に適切な資産配分を判断する
- いつか来るであろう株式の大幅下落に備えて株式以外の資産の割合を増やすことも考えてみる
- 株式市場が絶好調な今こそもう一度自分のリスク許容度を考えてみる(調子に乗らない)
- 自分の運用方針である「長期・分散・積立」を第一に考えて行動する
最後に
バンガードは世界的に超有名な資産運用会社であり、その中で働くファンドマネージャーとかアナリストなどと呼ばれる人たちもまた、超一流のエリート集団であるわけです。
ですが、こんなエリート集団のバンガードが出す将来の市場の予想ですら「予想を大きく外す」ということを何かで見たことがあります。ですから、今回のレポートで推奨されている資産配分も正解とは限りません。
将来のことは誰も分からないということですね。
私たち個人投資家にできることは将来何が起こってもいいように、資産の配分を自分で考えて備えておくことが大切だと思いました。自分で考えて自分で判断したことであれば、納得できますし、仮に納得できなくても自分の責任です。
ここで紹介している投資の手法や銘柄などは私自身が実際に行っているものであり読者の皆様に推奨しているわけではありません。投資については自己責任でお願いします。紹介している数値なども細心の注意を払っていますが誤っている可能性がありますのでご自身でも確認することをお勧めします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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