【川崎汽船(9107)】高配当だが買いなのか?~日経高配当50ETF(1489)~

投資

私は日本の個別高配当株を100銘柄近く保有しているのですが、その内訳は日経高配当50ETF(1489)の採用銘柄と自分自身で選定した高配当銘柄から成っています。

ただ、現在の日経高配当50ETF(1489)の採用銘柄を全て保有しているわけではありません。

日経高配当50ETF(1489)の採用銘柄の中から、私が現在保有していない銘柄で新たに購入してもよさそうな銘柄はないか、探してみることにしました。

その中から今回の記事では、川崎汽船(9107)について書き記していきます。

日本の個別高配当株

日経高配当50ETF(1489)の銘柄の入れ替えがあっても、基本的に売却はしないようにしています。購入に関しては、私の日本の個別高配当株の保有銘柄数が100銘柄近くになってしまっていますので、管理が大変ですので最近はしていません。

日経高配当50ETF(1489)

日経高配当50ETF(1489)の過去1年の分配金は89円で、現在の分配金利回りは3.14%程度です。株価の上昇に伴って高配当とは言えないレベルまで分配金利回りが下がってきています。

最近、何度も最高値を更新していて、私としては「買ってみよう」という気にはなれない水準ですね。

採用銘柄

下記の表は日経高配当50ETF(1489)の採用銘柄です。現在の配当利回りと私が保有しているか否かを記しています。

日経高配当50ETF(1489)の採用銘柄、49銘柄のうち、私は現在28銘柄を保有しています。

銘柄コード銘柄配当利回り保有中
1605INPEX3.14%
2914日本たばこ産業4.06%
9107川崎汽船5.57%×
7267本田技研工業4.39%
8058三菱商事2.92%
8411みずほフィナンシャルグループ2.55%
4503アステラス製薬3.80%
9101日本郵船4.53%×
8604野村ホールディングス4.41%(昨年配当から計算)
4502武田薬品工業4.48%
8316三井住友フィナンシャルグループ3.17%
8053住友商事2.61%
5401日本製鉄3.83%×
7261マツダ4.67%×
8725MS&ADインシュアランスグループホール4.22%
8601大和証券グループ本社3.21%
5108ブリヂストン3.17%
5406神戸製鋼所3.96%×
9434ソフトバンク3.97%
5411JFEホールディングス4.04%×
7751キヤノン3.38%
7272ヤマハ発動機4.21%×
1802大林組2.52%×
1928積水ハウス4.18%
8309三井住友トラストグループ3.64%
5706三井金属1.18%×
5201AGC4.00%
2768双日3.33%
4183三井化学2.51%
5019出光興産3.07%
9147NIPPON EXPRESSホールディン3.04%×
6305日立建機3.79%×
7202いすゞ自動車3.80%×
4188三菱ケミカルグループ3.52%
6724セイコーエプソン3.72%
6472NTN2.89%×
6473ジェイテクト3.41%×
5214日本電気硝子2.38%
6770アルプスアルパイン2.90%×
6471日本精工3.55%×
3861王子ホールディングス4.39%
4061デンカ3.71%
6113アマダ3.24%×
1808長谷工コーポレーション2.95%×
6952カシオ計算機3.58%(昨年配当から計算)×
4208UBE4.36%
4042東ソー4.25%×
8252丸井グループ4.20%×

選定の基準

私が保有していない銘柄の中から、今回は川崎汽船(9107)を私自身が銘柄を選定する時の基準に照らし合わせて「購入してもよい銘柄」なのか「購入しないほうがよい銘柄」なのかを検証してみたいと思います。

高配当株を選定する時の基準を過去10年の決算を参考に以下のように決めています。

  1. 売上高が基本的に右肩上がり又は一定で増減が激しすぎないこと
  2. 一株利益(EPS)が右肩上がり又は一定で増減が激しすぎないこと
  3. 営業利益率が5%以上あること。10%以上であれば◎
  4. 自己資本比率40%以上であること。40%以下は基本的に購入しない
  5. 営業活動によるキャッシュフローが過去10年で赤字の年がないこと。1年でも赤字があれば購入しない
  6. 一株当たり配当金が増配傾向であること。増減が激しかったり、過去10年で無配の年が1年でもあれば購入しない
  7. 配当性向は30%~50%が理想。80%を超えている銘柄は危険

以上のルールで選定していますが、このルールでガチガチに固めて選定しているわけではなくて、総合的に判断して「購入してもよい銘柄」か「購入しないほうが良い銘柄」かを決定しています。

川崎汽船(9107)は?

上記ルールに川崎汽船(9107)を当てはめてみると

  1. 売り上げはコロナ禍から回復基調ですが、コロナ前を超えることはできていません
  2. 一株利益(EPS)は各年で、かなりばらつきがあります
  3. 営業利益率は近年は10%近いですが、過去10年を見ると赤字の年もあり安定していません
  4. 自己資本比率は最近になって急速に高くなってきていて、70%以上あり、財務健全性は問題なさそうです
  5. 営業活動によるキャッシュフローはコロナ禍以降は大きくプラスですが、コロナ禍以前はマイナスの年もあります
  6. 配当金に関しては、コロナ禍以前は無配の状態が何年も続いていて、2022年から配当が再開されています
  7. 配当性向は無配の年が多いので傾向が分かりにくいですが、配当がある年は80%を超えるような年はありません

まず、川崎汽船(9107)の業種は「海運業」になり、景気敏感株です。

近年になって自己資本比率が急回復した理由は、コンテナ船事業の大幅な利益計上と、それによる利益剰余金の積み上がりがあったためです。

コロナ禍以降の業績は好調のようですが、コロナ禍以前の業績が非常に気になります。赤字で無配の年が何年もあります。営業キャッシュフローも赤字の年が何年もあります。

過去10年の業績から、最近の業績が良いからと言って、将来の景気の悪化時などに安定して配当を出してくれるとは思えないですね。

コンテナ船事業の構造改革

コロナ禍が始まる前の段階で、川崎汽船はコンテナ船事業の体質を根本から変えています。

  • 2017年に、日本郵船、商船三井、川崎汽船の3社が、競争の激しいコンテナ船事業を統合し、「Ocean Network Express (ONE) 」を設立しました。
  • 川崎汽船はONEの株式を保有する「持分法適用会社」という位置づけに変わりました。これにより、ONEの利益(または損失)は、川崎汽船の「持分法による投資利益(損失)」として計上される形になりました。

これにより、自社で直接運航していた時代のような、厳しい競争環境や船の減損リスクなどによる業績の不安定さが大きく改善されました。

まとめ

川崎汽船(9107)の業績は、構造改革(ONEの設立)によって利益が安定しやすい体質に変わったといえるので、コロナ禍以前のような状況にはなりにくいのではないでしょうか。

配当金利回りが5%以上と非常に高いので、無配や減配になるリスクを受け入れて、保有するのであれば購入しても良いかなと思いました。

最後に

川崎汽船(9107)はコロナ禍以前とコロナ禍以降で、生まれ変わったように業績が改善しています。この状態が続いていくのあれば非常に魅力的だと思います。

川崎汽船(9107)が累進配当を宣言していればよいのですが、今のところ、それはないようです。

ここで紹介している投資の手法や銘柄などは私自身が実際に行っているものであり読者の皆様に推奨しているわけではありません。投資については自己責任でお願いします。紹介している数値なども細心の注意を払っていますが誤っている可能性がありますのでご自身でも確認することをお勧めします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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