日経高配当50ETF採用銘柄を検証~日本製鉄(5401)は高配当株として買いか?~

投資

私は日本の個別高配当株を100銘柄近く保有しているのですが、その内訳は日経高配当50ETF(1489)の採用銘柄と自分自身で選定した高配当銘柄から成っています。

ただ、現在の日経高配当50ETF(1489)の採用銘柄を全て保有しているわけではありません。

日経高配当50ETF(1489)の採用銘柄の中から、私が現在保有していない銘柄で新たに購入してもよさそうな銘柄はないか、探してみることにしました。

その中から今回の記事では、日本製鉄(5401)について書き記していきます。

日本の個別高配当株

日経高配当50ETF(1489)の銘柄の入れ替えがあっても、基本的に売却はしないようにしています。購入に関しては、私の日本の個別高配当株の保有銘柄数が100銘柄近くになってしまっていますので、管理が大変ですので最近はしていません。

日経高配当50ETF(1489)

日経高配当50ETF(1489)の過去1年の分配金は89円で、現在の分配金利回りは3.14%程度です。株価の上昇に伴って高配当とは言えないレベルまで分配金利回りが下がってきています。

最近、何度も最高値を更新していて、私としては「買ってみよう」という気にはなれない水準ですね。

採用銘柄

下記の表は日経高配当50ETF(1489)の採用銘柄です。現在の配当利回りと私が保有しているか否かを記しています。

日経高配当50ETF(1489)の採用銘柄、49銘柄のうち、私は現在28銘柄を保有しています。

銘柄コード銘柄配当利回り保有中
1605INPEX3.14%
2914日本たばこ産業4.06%
9107川崎汽船5.57%×
7267本田技研工業4.39%
8058三菱商事2.92%
8411みずほフィナンシャルグループ2.55%
4503アステラス製薬3.80%
9101日本郵船4.53%×
8604野村ホールディングス4.41%(昨年配当から計算)
4502武田薬品工業4.48%
8316三井住友フィナンシャルグループ3.17%
8053住友商事2.61%
5401日本製鉄3.83%×
7261マツダ4.67%×
8725MS&ADインシュアランスグループホール4.22%
8601大和証券グループ本社3.21%
5108ブリヂストン3.17%
5406神戸製鋼所3.96%×
9434ソフトバンク3.97%
5411JFEホールディングス4.04%×
7751キヤノン3.38%
7272ヤマハ発動機4.21%×
1802大林組2.52%×
1928積水ハウス4.18%
8309三井住友トラストグループ3.64%
5706三井金属1.18%×
5201AGC4.00%
2768双日3.33%
4183三井化学2.51%
5019出光興産3.07%
9147NIPPON EXPRESSホールディン3.04%×
6305日立建機3.79%×
7202いすゞ自動車3.80%×
4188三菱ケミカルグループ3.52%
6724セイコーエプソン3.72%
6472NTN2.89%×
6473ジェイテクト3.41%×
5214日本電気硝子2.38%
6770アルプスアルパイン2.90%×
6471日本精工3.55%×
3861王子ホールディングス4.39%
4061デンカ3.71%
6113アマダ3.24%×
1808長谷工コーポレーション2.95%×
6952カシオ計算機3.58%(昨年配当から計算)×
4208UBE4.36%
4042東ソー4.25%×
8252丸井グループ4.20%×

選定の基準

私が保有していない銘柄の中から、今回は日本製鉄(5401)を私自身が銘柄を選定する時の基準に照らし合わせて「購入してもよい銘柄」なのか「購入しないほうがよい銘柄」なのかを検証してみたいと思います。

高配当株を選定する時の基準を過去10年の決算を参考に以下のように決めています。

  1. 売上高が基本的に右肩上がり又は一定で増減が激しすぎないこと
  2. 一株利益(EPS)が右肩上がり又は一定で増減が激しすぎないこと
  3. 営業利益率が5%以上あること。10%以上であれば◎
  4. 自己資本比率40%以上であること。40%以下は基本的に購入しない
  5. 営業活動によるキャッシュフローが過去10年で赤字の年がないこと。1年でも赤字があれば購入しない
  6. 一株当たり配当金が増配傾向であること。増減が激しかったり、過去10年で無配の年が1年でもあれば購入しない
  7. 配当性向は30%~50%が理想。80%を超えている銘柄は危険

以上のルールで選定していますが、このルールでガチガチに固めて選定しているわけではなくて、総合的に判断して「購入してもよい銘柄」か「購入しないほうが良い銘柄」かを決定しています。

日本製鉄(5401)を基準に当てはめてみる

売上高

各年で上下はあるものの、長期的には右肩上がり。

EPS(一株利益)

赤字の年があり、2026年3月期も赤字予想。

営業利益率

10%を超える年もある一方、赤字の年もあり安定性は低い

自己資本比率

直近は40%以上だが、過去には40%を下回る年もある

営業キャッシュフロー

過去10年で一度も赤字なく、これは非常に評価できるポイント

配当金

無配の年はないものの、配当額の上下が激しく、安定配当とは言い難い

配当性向

突出して高い年はなく、極端な無理はしていない。

日本製鉄は景気敏感株

日本製鉄の業種は「鉄鋼業」であり、典型的な 景気敏感株 です。

  • 業績の振れ幅が大きい
  • 利益・配当が市況に大きく左右される

という特徴があります。

2026年3月期が最終赤字予想の理由

決算説明資料を見ると、主な要因は以下の通りです。

  • 世界的な鉄鋼需要の低迷
  • 米国の関税、中国からの安値輸出
  • 米国市場の不透明感から、USスチールの業績を通期予想に含めない慎重な見積もり

USスチール買収について

2025年6月、紆余曲折を経て USスチールの買収が完了しました。

良い点

  • 粗鋼生産能力が世界トップクラスに
  • グローバル競争力は大幅に向上

悪い点

  • 米政府が「黄金株」を保有し、経営の自由度が制限される
  • 約2兆円の買収費用
  • 今後3年間で約1.7兆円の追加投資を約束
  • 有利子負債が短期間で大幅に増加

日本製鉄(5401)は買いか?

結論として、現時点では「購入しないほうが良い銘柄」 という判断になりました。

配当の下限が24円と発表されている点は評価できますが、

  • 2026年3月期の赤字予想
  • 過去の業績の不安定さ
  • USスチール買収による財務負担の急増

を考えると、「高配当株として安心して長期保有できるか?」という点では不安が残ります。

最後に

USスチールの買収にかかった費用が大きすぎる気がします。有利子負債が短期間に倍増しており、将来も安定して配当を出せるのか安心できないです。

ここで紹介している投資の手法や銘柄などは私自身が実際に行っているものであり読者の皆様に推奨しているわけではありません。投資については自己責任でお願いします。紹介している数値なども細心の注意を払っていますが誤っている可能性がありますのでご自身でも確認することをお勧めします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

以下の記事も参考にしてもらえると嬉しいです

コメント