私の投資資産のコアの部分は「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」「米国の債券ETF」「日本の個別高配当株」になっています。
「日本の個別高配当株」は合計で約90銘柄程保有しているのですが、約90銘柄のうちの約50銘柄は「日経高配当50ETF(1489)」に採用されている銘柄です。残りの40銘柄は私が自分で選定した銘柄です。(弱小個人投資家である私は100株単位で買うことは到底できないので全ての銘柄を100株未満の株数で保有しています)
さらに、「日経高配当50ETF(1489)」の株価が直近の最高値から10%下落したときは「日経高配当50ETF(1489)」をETFの形で購入しています。
ですから今現在は、「日経高配当50ETF(1489)」採用の約50の個別銘柄と私自身が選定した銘柄約40銘柄と「日経高配当50ETF(1489)」(ETF)を保有しています。
長期で安定した配当が狙える銘柄選び
私自身が選定して購入した40銘柄はどのような観点で購入したのかを記していきます。観点と言っても何も難しいことは無くて簡単明快です。
「安定的に配当を出してくれる銘柄を長期間保有したい」というのが大前提で、「値上がり益を狙っているわけではない」
ということです。
着目点
購入するか、しないかの具体的なの着目点は、過去10年位の業績を見て以下の点を考慮しています。
売上高
基本的に右肩上がりで増減が激しすぎないこと
当期純利益
毎年黒字であること、過去10年で1年でも赤字があれば購入しない
営業利益率
業種にもよりますが10%以上あれば優秀で、5%以下は購入しない
自己資本比率
80%以上あれば優秀で、40%以下は購入しない
営業活動によるキャッシュフロー
毎年黒字であること、過去10年で1年でも赤字があれば購入しない
配当金
配当が安定していること、過去10年で無配や減配があれば購入しない
配当性向
概ね30%~50%が適性、80%以上であれば購入しない
上記の着目点を総合的に判断して購入するか、しないかを決めています。
総合的にとは、例えば営業利益率が5%以下であっても過去10年間で減配が無く安定して配当をしているような銘柄であれば購入することもあります。
何が何でも上記の着目点を守るという感じではなくて、あくまでも総合的に判断しています。
業種の分散が重要
業種の分散も重視しています。様々な業種に分散することで、景気悪化時でも安定した配当が期待できますし、景気の動向などから特定の業種の配当が増加したときなどでもその恩恵を受けることが出来ます。
安定配当を求めすぎるとディフェンシブな業種に偏り配当利回りが高くなりませんし、逆に高い配当利回りを得ようとすると景気敏感な業種になってしまいがちです。景気敏感業種とディフェンシブ業種では一般的に以下のようなことが言えると思います。
- 安定志向(ディフェンシブ業種) → 景気変動に強く、減配リスクが低い傾向があるが、配当利回り自体は高くならないことが多い。成長性も限定的。
- 高配当利回り志向(景気敏感業種) → 好景気時に高い配当が期待できるが、業績変動が大きく、不景気時の減配リスクや株価下落リスクが高い。
安定した配当と、それなりの高配当利回りの両方を追求しようとすると、意図的に業種を分散することが非常に重要だと感じています。
「日経高配当50ETF(1489)」の構成比率
次に「日経高配当50ETF(1489)」の採用銘柄の業種の比率を出して、その業種が景気敏感な業種なのか、ディフェンシブな業種なのかを理由と共に表にしました。
業種 | 構成比率 | 景気敏感/ディフェンシブ | 理由 |
---|---|---|---|
輸送用機器 | 9.87% | 景気敏感 | 消費者の購買力や経済状況に直接影響される耐久消費財 |
銀行業 | 8.06% | 景気敏感 | 金融政策(金利)や企業・個人の経済活動(融資需要)に強く連動 |
海運業 | 7.62% | 景気敏感 | 世界の貿易量や原油・資源価格、サプライチェーンの状況に大きく左右される |
医薬品 | 7.32% | ディフェンシブ | 人々の健康維持に不可欠であり、景気に左右されにくい安定した需要がある |
鉄鋼 | 7.19% | 景気敏感 | 建設、自動車、機械など、景気変動の激しい産業の素材需要に直接連動 |
卸売業 | 7.19% | 景気敏感 | エネルギー、金属、化学品など、幅広い商品の国際貿易を扱い、世界経済の動向に敏感 |
証券、商品先物取引業 | 5.61% | 景気敏感 | 株式市場の活況や企業の資金調達需要に連動し、景気が良いほど取引が活発になる |
化学 | 5.30% | 景気敏感 | 自動車、電機、建設など幅広い産業に素材を供給し、それらの需要変動に影響を受ける |
電気機器 | 5.19% | 景気敏感 | 家電、半導体、産業機械など、消費者の購買意欲や企業の設備投資に影響される製品が多い |
建設業 | 4.78% | 景気敏感 | 公共投資や民間の設備投資、不動産市場の動向に強く影響される |
機械 | 4.69% | 景気敏感 | 企業の設備投資需要に直結し、景気が良い時に需要が伸びる |
食料品 | 3.51% | ディフェンシブ | 人々の日常生活に不可欠なため、景気に左右されにくい安定した需要がある |
鉱業 | 3.21% | 景気敏感 | 原油や天然ガスなどの資源価格に直接影響され、これらは世界経済の動向に連動する |
保険業 | 2.81% | 景気敏感 | 景気、金利、株価の変動が運用成績や契約者の加入意欲に影響を与える |
情報、通信業 | 2.62% | ディフェンシブ | スマートフォンやインターネットなど、生活に不可欠なサービスであり、安定した収益が見込める |
ゴム製品 | 2.36% | 景気敏感 | 自動車タイヤなど、景気敏感な自動車産業の需要に強く依存 |
ガラス、土石製品 | 2.32% | 景気敏感 | 建設や自動車、エレクトロニクスなど、景気変動の激しい産業向け製品が多い |
サービス業 | 1.53% | 混在 | 幅広い分野があり、景気敏感なもの(旅行、外食)とディフェンシブなもの(介護、教育)が混在、高配当のサービス業は景気敏感寄りが多い傾向 |
石油、石炭製品 | 1.36% | 景気敏感 | 原油価格や経済活動量に大きく影響される。 |
陸運業 | 1.35% | 混在 | 鉄道やバスなどの公共交通はディフェンシブだが、物流・貨物輸送は景気の影響を受けやすい |
パルプ、紙 | 0.89% | 景気敏感 | 包装材や印刷物など、産業や広告需要に左右される |
精密機器 | 0.83% | 景気敏感 | 半導体製造装置や医療機器など、企業の設備投資や研究開発に影響される製品が多い |
小売業 | 0.77% | 混在 | 百貨店やアパレルは景気敏感、食品スーパーはディフェンシブ、高配当銘柄としては景気敏感な側面を持つ企業も多い |
非鉄、金属 | 0.67% | 景気敏感 | 建設、自動車、電機など、幅広い産業の需要に左右され、商品市況の影響も受ける |
上表をまとめると以下のようになります
- 景気敏感業種の合計比率:約79.96%(自動車(9.87%) + 銀行(8.06%) + 海運(7.62%) + 鉄鋼(7.19%) + 商社(7.19%) + 証券(5.61%) + 化学(5.30%) + 電気機器(5.19%) + 建設(4.78%) + 機械(4.69%) + 鉱業(3.21%) + 保険(2.81%) + ゴム(2.36%) + 窯業(2.32%) + 石油(1.36%) + パルプ・紙(0.89%) + 精密機器(0.83%) + 非鉄・金属(0.67%) = 約79.96%)
- ディフェンシブ業種の合計比率: 約13.45%(医薬品(7.32%) + 食品(3.51%) + 通信(2.62%) = 約13.45%)
- 混在している銘柄比率:約3.65%(サービス(1.53%) + 陸運(1.35%) + 小売業(0.77%) = 約3.65%)
約8割が景気敏感業種ということになりまますが、これは「日経高配当50ETF(1489)」の特性上、仕方のないことなのかなと思います。「日経高配当50ETF(1489)」は基本的に日経平均採用の225銘柄の高配当順上位50銘柄ですので。。
ですが「安定した配当を長期間得る」ということを考えた場合、いくら高配当といえども偏りすぎですよね。
私が選定した銘柄
「日経高配当50ETF(1489)」に足りないディフェンシブ業種(銘柄)を補完することを意識して銘柄を選定して購入しました。(全てをディフェンシブ業種(銘柄)で購入するのは難しいので長期で安定的に配当を出している景気敏感業種(銘柄)も多数選定しています)
一部ですが私が購入した銘柄を紹介します。かなり前に購入した銘柄もありますので、今では値上がりしてしまって配当利回りが低くなってしまっている銘柄もあります。
※これらの銘柄の購入を勧めているわけではありません。もし、購入される場合は自己責任でお願いいたします。(損失が発生した場合でも責任は負いかねます)
- 4762 エックスネット
- 5020 ENEOSホールディングス
- 8593 三菱HCキャピタル
- 2393 日本ケアサプライ
- 7811 中本パックス
- 8898 センチュリー21ジャパン
- 9142 九州旅客鉄道
- 9432 NTT
- 9433 KDDI
- 9436 沖縄セルラー電話
- 9513 J-POWER
- 1605 INPEX
- 9769 学究社
- 2503 キリンホールディングス
- 2903 シノブフーズ
- 9534 北海道ガス
- 2003 日東富士製粉
- 9069 センコーグループホールディングス
- 9303 住友倉庫
- 4503 アステラス製薬
最後に
結果的には景気敏感な業種(銘柄)も購入しているわけですが、「安定的に配当を出してくれる銘柄を長期間保有したい」「値上がり益を狙っているわけではない」ということは守れているのかなと思っています。
「こんな考え方で選定した」という感じでとらえていただければと思います。
ここで紹介している投資の手法や銘柄などは私自身が実際に行っているものであり読者の皆様に推奨しているわけではありません。投資については自己責任でお願いします。紹介している数値なども細心の注意を払っていますが誤っている可能性がありますのでご自身でも確認することをお勧めします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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